古ぼけた懐かしい記憶
田舎の夕暮れが
血みたいな赤黒い光で
手を引く老婆の顔を
恐ろしげに塗りたくっている
それはまるで
妄想の一部みたいだ
もうすぐ君はいなくなってしまうね
鮮やかに彩られた君はきっと美しくて
見てみたいと思うけれど
それは僕の目の前を去る時に見れるものだから
見たくないとも
暗い部屋に一人
自分の鼓動も感じられない夜
雪とともに孤独は積もる
小さなストーブは弱々しい光を投げかけ
かわいそうに、染み入る寒さを相手に
負け