今日のポエムが明日の活力

透明なあの女の子。

投稿日:2017-05-29 03:40:46

いつも通勤途中で会う同い年くらいのあの女の子はいつも透明だ。

周りの景色と同化して、ほとんど見えない。

見えたとしても輪郭だけ。

最近同じコンビニに立ち寄ったのがきっかけで話すようになった。

会話は自分でもびっくりするくらい弾んだ。相手がたとえ見えなくとも。

会話だけで何時間もの時が、数分で終わる気がした。

でも話す時ぐらい近づいても輪郭しか見えない。

どんな肌の色をしてるんだろう。どんな顔をしているんだろう。

どんな服を着ているんだろう。どんな目をしているんだろう。

僕たちは結婚することになった。そして共に生涯を送った。

そして透明なあの女の子の一生が僕より先に終わってしまった。

結局亡くなるまでずっと透明なままだった。全く外見が分からないままだった。

悲しみが癒えないまま数日が過ぎ家の掃除をしていたところ、

透明なあの女の子との二人の思い出の写真が出てきた。写真にももちろん姿は写っていない。

見るたびに涙が溢れてきた。そして涙が写真に落ちた瞬間、涙が写真に滲むにつれて

透明なあの女の子の実体が浮かんできた。初めてみる透明なあの女の子の実体。

そして全体が浮かんだ時、大声で泣いていた。あの時の感情ほど高ぶったものはなかった。

想像してみて欲しいと思った。大事な人の実体が亡くなってから分かる辛さを。

今日も外を歩いていたら、透明な女の子を見つけた。

そして以前よりも、美しく見えた気がした。

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