……うー…
「…結局、使えるのりがありませんね。
親の部屋に借りに行くのはどうですか?」
「ダメだ。テレビが付いている。
興味はなくともつい気になって見てしまうだろう」
「それでは…」
「…この細身スティックの、カップに詰まったのりがあるだろう。
カッターで削りだして使う」
「しかしそれをすればカッターがベタベタに!」
「仕方ないだろう、今必要なのはのりなのだ!
背に腹は変えられん、削りだせ!」
「しかし!」
「やれ!!」
「くっ!……了解…!」
……………(がりがり)
……………(ぺたぺた…)
「…許せ…カッターよ…」
「…のりが必要な場面は、何とか終了したようです」
「よろしい。次の部分に移れ」
……………
………んー
「隊長、先ほどの一件で集中力が低下してきました。まずいです」
「…仕方ない、絵を少し描かせてやれ。
ただし『落書き』程度だ、クオリティは下げろ。
いい加減な絵を一回描いて『ああうまくいかなかった』と
絵に対するモチベーションを下げて、勉強に戻せ。
時間の目安は5分以内だ」
「了解しました」
…ふんふん(シャッシャッ)
……………
……………(ごしごし)
「勢いと手癖で描き始めたら慣れないアオリになり
うまく仕上がらずに消したようです。所要時間…約7分」
「許容範囲だ、よくやった。
今は…9時50分か。そろそろカフェインの摂取に注意が必要だな。
もう少し文字を書いてモチベーションが戻ったら
カフェオレを全部飲みきらせろ。睡眠は重要だ」
「了解」
……………
……………
「隊長」
「どうした」
「ファンヒーターの温風が直に当たって体温が上昇しています。
軽く汗ばみ始めており、集中力を阻害しています」
「そうだな…ファンヒーターを切って、ブランケットを羽織れ。
体温が下がったら風呂休憩とする」
「了解しました。
というか、普段から温風直当てで軽い低温やけどすらしてるじゃないですか。
そろそろもっとマシな体温維持の方法考えませんか?」
「…今は勉強中だ」
「そうですね。失礼しました」
……………
……………
「うむ、順調だな」
「異常ありません。ただ、集中力が再び切れ始めて
文字を書き写すのが単純な作業になりつつあります。
眠気も混ざり始めました。もう一度絵を描かせますか?」
「いや、こらえさせろ。
ここはある程度分かる部分だから、このまま乗り切らせる」
「了解」
………うー
……うー…(しゃかしゃか)
「隊長!本人、勝手に絵を描き始めました!
今度は失敗しようがないデフォルメです!!」
「鞭を打て!すぐに止めさせろ!!」
「了解!うおおおおお!」
……………
……うー。
「本人、しぶしぶ落書きをやめました!
一度仕上げた絵を消しています」
「実物プレイしてもいないのにWoLなんて描くからだ。
しかし机の隣にあるポーション、いつまで経ってもなくならんな」
「…隊長の集中力が切れてますよ。
本人も眠気を自覚し始めたようです」
「む…そうか。
残りはどれぐらいある?」
「今書いている部分と…あとは知識の暗記系が少しですね。
知識問題は試験に出たとしてもせいぜい6点かそこらでしょう」
「わかった。知識は試験直前に暗記することにする。
今書いている部分を最後まで終わらせたら風呂に入らせて、そのまま寝よう。
予想以上に眠気が強い。体温も大分下がってきている」
「了解しました」
……………
…うー……
…… …
……よし!
「書き終わりました!」
「よし、本日の勉強を終了!ミッションコンプリートとする。
現在時刻11:20か…あまり長風呂せず、0:00には就寝とする」
「了解!さあ風呂だ!」
かぽーん。
…はふー。
「隊長。
明日は『国語』もありましたよね?」
「そっちは得意分野だから問題ない。
普通に問題文読んで答えるだけで、7割は余裕で取れる。
不安なところだけ試験前に読み返せばいい」
「そうですか」
「それより、暖かい湯に5分は浸かれ。
血行が促進されて疲労物質を押し流してくれる」
「そうですか」
「隊長」
「なんだ、もう寝る時間だぞ」
「…こういう『試験対策基地脳内本部』とか考えてる時点で
集中力…足りてませんよね?」
「……………」
「……………」
「…おやすみ」
「おやすみなさい」
×1