今夜おれはたったひとり
月に吠える
ちょっとセンチメンタルな男
おれは微妙な椅子に腰掛けている
とてもとてもナイスだ
そしてとてつもなく美しい夜だ
時間達が
闇たちが
おれにやさしい夜だ
友よ
女よ
聞いてくれ
こんな夜におれが夢見ているのは
赤いワインに満たされた湖へと
漕ぎ出すこと
グラスとカンヴァスと絵の具を
奇跡の小舟に積み込んで
漕ぎ出すこと
ゆっくりと不確かな方向へ
それでも夜よりも深く
朝よりも遠くへと
消えてゆくこと
消えてゆくこと
消えてゆくこと
遠のいてゆくこと
・・・・・・・
そしてたどり着くこと