今日のポエムが明日の活力

記憶の人03

投稿日:2011-02-02 20:43:25

 そんな同窓会も、そろそろ終わりかなと思っていた頃、こんな話題が出たのだ。

「そういや昔、取り壊されるって言ってたあの学校、もう無くなったん〜?」

 ホロ酔い気分なのか、語尾が完全に訛っている一人が言い出すと、みんなちょっと興味を惹かれたようで、

「あの廃校?もう無いでしょ、あたしらが卒業する時、もうあと数日で無くなるってとこだったじゃん」

「そうそう、工事してて危ないから近寄るなって言われてた所。まぁその前から入るなって言われてたけどね」

「そーかぁ、昔さ、よく内緒で入ろうぜーって計画したりしたのに、入る直前で先生に見つかって入れなかったんだよな〜。おもしろそうだったのに」

「でも今考えると結構ボロボロだったし、危なかったのは確かかもね」

 中学生の頃、通っていた学校の通学路から逸れた農道をしばらく行った所に、今は使われていない学校があった。
 明らかに廃校なんだけど、造りは木造とかではなくてコンクリートでできていたから、かなり昔に廃校になった訳でもなさそうだった。
 でも当時、誰に聞いてもその廃校の詳細は分からなかった。
 それどころか、教師、親など、昔の土地感のある人でさえ、いつその学校ができていて、使われていたのかがかなり曖昧なのだ。
 その謎に包まれた事柄が多いせいか、忍び込んで調べてみようと思う生徒も多かったと思う。
 よく、誰が先生に見つかったとかっていう話を聞いたこともあるし、全校集会の時、廃校のことでしょっちゅう注意されたものだった。
 もちろん、ぼくは忍び込もうなんて思った事もないし、その必要性を感じていなかった。

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